ロック好きなら、飲んでる時などに「好きなパンクバンドは?」という話題で盛り上がった(又は喧嘩に発展した)ことがあると思います。
僕は迷わずBuzzcocksです。
僕が初めてBuzzcocksの音楽を聴いたのは、00年くらいのことだったと思います。
1st ”Another Music in a Different Kitchen”をツタヤで借りて聴いたんですが、90年代のオルタナの分厚いギターサウンドに慣れた耳には、音が軽いというか、スカスカに聴こえたというのが正直なところです。
なんですが、聴いているうちに次第に慣れ、やがて演奏のスピード感と、奇妙かつキャッチーなメロディが病みつきになり、何度も何度も繰り返し聴きました。
ロック系のDJイベントで”I Don’t Mind”や”Ever Fallen in Love?”が流れるといつも、フロアで気がふれたように踊りまくっていたものです。
2006年に来日公演があり、もちろん行きました。大阪は梅田シャングリラ。
序盤に何曲か、当時の最新作”Flat-Pack Philosophy”からの曲を演奏し、その後はヒット曲の連発に次ぐ連発。しかも、テンポを落とすことなくむしろ速かったくらい。
普段はモッシュなんてしんどいしウザいだけなのに、この日は妙に楽しく感じたのを覚えています。
Buzzcocks / Buzzcocks
1. Jerk
2. Keep On
3. Wake Up Call
4. Friends
5. Driving You Insane
6. Morning After
7. Sick City Sometimes
8. Stars
9. Certain Move
10.Lester Sands
11.Up For The Crack
12.Useless
本作は03年にUKではCherry Red、そしてUSではMergeからリリースされたアルバム。
時代相応に分厚いディストーション・ギターに乗ってファスト・チューンが次々に繰り出される豪快なロック・アルバムです。
サウンド的には、彼らの中でもかなり骨太でシリアスな作品なんじゃないでしょうか。
アルバムを通して聴くとやや単調な気もしますが、M1、M7などのシングル曲は文句なしにかっこよく、他の楽曲も粒揃い。
僕は個人的にはミドルテンポのロックンロール・チューンのM9がすごく好きですね。40代後半の彼らだからこそ出せた味…みたいな物言いは少し安直でしょうか。
本作では、オリジナル・メンバーで、初期に脱退した後Magazineを結成したHoward Devotoとの共作曲が収録されたのも話題になりましたね。
Buzzcocksの音楽に初めて触れる人には”Singles Going Steady”か”Another Music in a Different Kitchen”を勧めますが、初期三枚以降聴いたことがないという方にはオススメしたい一枚。
どうでもいいんですが、”Sick City Sometimes”のAメロ部分はGin Blossomsの”Hey Jealousy”に似てますね。