今回のThe Small Squareのツアーの宣伝をしていて、思った以上に日本にもTommy Keeneの熱心なファンが多いことを知りました。
熱心なパワーポップファンはもちろん、オルタナ、インディロックのファンなら、聴いたことはなくても雑誌やネットやレコード屋の棚で一度くらいはTommy Keeneという名前を目にしたことがあるのではないでしょうか。僕も長い間、「名前は知っている」というアーティストでした。
僕が最初にTommy Keeneという名前を強く意識したのは、Guided by VoicesのRobert Pollardと一緒にやっていたKeene Brothersというユニットからでした。
ただ、その時は正直なところ、無数にあるBobのサイドプロジェクトの一つという認識でした。
(作品の内容も良いんですが、Bobのカラーが強いです)
僕が本格的にTommy Keeneの音楽のファンになったきっかけは、Paul Chastainでした。
彼はかつて東心斎橋のClub WonderでDJをやったことがあるんですが、その時にTommyの曲をかけていて(たしか、「Isolation Party」からだったと思います)、すっかり気に入ってCDやレコードを買い集めました。
それから、彼がVelvet Crushのサポートでギターを弾いていたこと、ReplacementsのPaul Westerbergの隣でもギターを弾いていたことなどを知りました。
GbV関連で知って、聴き始めたのが「Isolation Party」でその次に「Ten Years After」だったり(いずれもMatadorからのリリース)で、僕の中では「Matadorの人」というイメージがありました。
私は若い頃にPavement、Yo La Tengo、Superchunkといったバンドに熱烈にハマっていました。上記のバンドたちはいわゆる90年代の「USインディ」の代表的なバンドですが、90年代~00年代前半くらいにおける「USインディ」という言葉は指す範囲が広く、音楽性にも共通項があるようなないような曖昧なものでした。
そして、曖昧だったからこそ、レーベルのつながりやミュージシャンのコラボレーションの軌跡を辿ることで多くの作品に出会える面白さがあったのだと思っています。
少し話が逸れましたね。
今回の来日で興味を持ってくれて、Tommy Keeneの音楽を最初に聴くという方にはまずこちらをお勧めしたいです。
1983年から2009年までの楽曲から選ばれた二枚組のコンピレーションアルバムです。Tommy Keeneのベストアルバムの中では今でも手に入りやすく、内容も充実しています。
Tommy Keene You Hear Me : A Retrospective: 1983-2009
中古などで手に入りやすいのは、流通量の多かったMatador時代の作品でしょうか。
そして、最新作もものすごくオススメです!30年以上のキャリアを重ねてきたミュージシャンとは思えないくらい、瑞々しくエネルギッシュな作品になっています。
Laugh in the Dark
他にもYouTubeやAppleMUSICでたくさん聴けるので、まずは聴いてみてください。
Tommy Keeneは、The Small Squareのツアーの名古屋公演、大阪公演(地下一階)、クラブワンダー公演、神戸公演、東京公演でアコースティック・ショートライブを行います。
前情報無しで観ても、きっと皆さん気に入っていただけると確信しています。
The Small Squareのツアーについて、詳細はこちら。