Tim Boykinについて

私がTim Boykinの音楽に初めて触れたのは、2001年頃かな?友達に教えてもらって、Lolasの”Silver Dollar Sunday”を聴きました。
アルバム全体、とにかくキャッチーなメロディが満載で、すぐに好きになりました。

そしてさかのぼり、Lolasの”Ballerina Breakout”や、Shame Idolsのアルバムを聴きました。今となったら意外に思われるかもしれませんが(?)、名古屋のレコード店・file-underでその手のパワー・ポップものが多く扱われていたのでした。

2002年の来日公演は、私は残念ながら観に行くことができませんでした。
その後リリースされた3rdアルバム”Something You Oughta Know”は、まさにマスターピースと呼ぶに相応しい名曲揃いの作品でした。ファンの間でも、これか”Silver Dollar Sunday”をベストに挙げる人が多いんじゃないでしょうか。

Tim Boykinのキャリアを振り返ると、音楽性の変遷が伺えます。
Carnival Seasonのサウンドは、Husker DuやReplacementsに通じる骨太なロックで、Lolasからさかのぼって聴いた人は驚くかもしれません。おそらくBrad Quinnのカラーが強く出ていると思われるのですが、その中でも、例えば”Misguided Promise”のようなポップ・チューンからは後のTimの音楽に繋がるものを感じられます。

Timのポップ・センスが炸裂するのは、やっぱりShame Idolsから。Buzzcocksばりのパンキッシュなファスト・チューンが多く、ポップ・パンク系のリスナーからの人気も高いんじゃないでしょうか。
1st ”I Got Time”も勢いがあって最高ですが、個人的には2nd ”Rocket Cat”が大好き。アメコミ風のイラストのジャケットも最高ですね。

リリース時期が近いこともあってか、Lolasの1stは、Shame Idolsの余韻を残しているように思えます。タイトル・トラックの”Ballerina Breakout”なんかは”Rocket Cat”に入ってても違和感なさそう。

そして、前述の”Silver Dollar Sunday”、”Something You Oughta Know”で、Tim Boykin流ポップ・サウンドは一つの完成形を迎えます。

Lolasの四作目となる”Doctor Apache”(というタイトルで日本盤がリリースされ、後に曲を追加して”Like the Sun”というタイトルで再リリース)は、「少し落ち着いた」という印象を持たれた方も多いかと思います。たしかに、それまでに比べて憂いを含んだ曲調が多いような。中でも、Byrds風のギターが印象的な”Doctor Apache”は出色の出来。
しかし一方で”Eye Eye”や”Me And Barbara Stanwyck”のようないかにもLolasらしいキラー・チューンはあるし、疾走系の”Staying Inside”もあり、実は根本的にはあまり変わってないような気もします。

その後、Lolasとしてはオリジナル・アルバムのリリースは無く、2007年にはShame Idolsのアルバム”The Light is Always on”がリリースされていますが、その後は日本のポップミュージック・ファンの間でTim Boykinの名前を聞くことは少なくなりました。

今回、ツアーを企画するにあたり、Lolasのアルバムをよく聴き返していますが、当時そこまで何度も聴き込んでいなかったはずの曲でも、メロディを覚えていることが多いことに気付きました。
それだけ印象的なメロディが量産されていたということで、Tim Boykinのメロディ・メーカーとしての才能が感じられます。

そんな素晴らしいソングライターに、バックを固めるリズム隊も優れたプレイヤー達。ツアーでは、きっと凄いライブを見せてくれるはずです!乞うご期待!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です